店舗内装工事の流れと注意点【クロス工事編】
店舗のクロス(壁紙)内装工事を成功させるには?プロが教える工程と重要な注意点
店舗の内装において、壁や天井の「クロス(壁紙)」は、お店の印象を決定づける非常に重要な要素です。しかし、単に好みのデザインを選ぶだけでは、店舗としての機能や安全性を十分に満たすことはできません。
本記事では、店舗向け内装工事のプロの視点から、クロス工事の具体的な流れと、計画時に必ず押さえておくべき注意点を解説します。
1. 店舗クロス工事の基本的な流れ
店舗のクロス工事は、見た目の美しさはもちろん、多くの人が利用することを想定した「耐久性」が求められます。確実な仕上がりのために、以下の3つのステップで進められます。
1-1. 設置物の取り外し
工事を始める前に、壁面に付いている障害物(コンセントプレート、スイッチカバー、照明器具、看板(サイン)、棚、エアコンのルーバーなど)を取り外します。 設置物をつけたままクロスを切り抜いて貼ると、隙間ができたり剥がれやすくなったりします。一度取り外してからクロスを貼り、その上から再度取り付けることで、細部まで隙間のない美しい仕上がりになります。
1-2. 下地処理
クロスの仕上がりの8割は、この「下地処理」で決まると言っても過言ではなく、職人の腕の見せ所でもあります。 壁の土台となる石膏ボードの継ぎ目や、ビス(ネジ)の凹凸を「パテ」という材料で埋めていきます。パテが乾いた後、やすりで表面を削り、鏡面のように平らな状態を作ります。石膏ボードの貼り方自体も影響することから、クロス工事の仕上がりには軽天組み・石膏ボード貼り工事の精度も重要となります。間接照明や横からさす光がある場合は特に不陸が目立ちやすく、注意が必要です。
また、もし下地がベニヤの場合、あとからヤニが滲んでくるリスクもあるため、ヤニ止めシーラーというものを事前に塗布する必要があります。
1-3. クロス貼り付け

下地が整ったら、いよいよクロスを貼り付けます。専用の糊付け機で均一に糊を塗布したクロスを、空気が入らないように専用のヘラで外側へ逃がしながら貼り進めます。柄物や木目調などのクロスは、隣り合うシートとの「柄合わせ」に高度な技術を要します。また、つなぎ目が目立たないよう、0.1ミリ単位の精度で裁断と圧着を行います。
2. 失敗しないための注意点
店舗の工事には、一般住宅とは異なる「法律」や「構造上の決まり」があります。これらを知らずに進めると、検査に通らなかったり、すぐに補修が必要になったりする恐れがあります。
2-1. 内装制限
クロスの選定の際に注意しなければならないのが、建築基準法および消防法によって規定されている「内装制限」です。内装制限の目的は、万が一の火災の際、火の燃え広がりを遅らせて利用者の避難時間を確保することで、施工する建物やその用途によって不燃、準不燃、難燃素材のクロスの可否が決まります。内装制限は非常に複雑なため、別のページで解説させていただきます。
2-2. 納まり
専門用語で「納まり(おさまり)」とは、仕上がりの状態を指します。特にクロス工事では、「クロスの継ぎ目をどこに持ってくるか」が耐久性を左右します。出隅での貼り終わりを避ける、端部を見切で抑えるなど、細かな設計施工上の工夫が長期的な耐久性に大きく影響します。
2-3.リフォーム向けクロス
クロスには色柄以外にその厚みもそれぞれ違っています。壁紙の貼替をする場合は剥がした後の下地が凹凸になることが多く、パテによる下地処理をしたとしても補正しきれない場合があるため、リフォーム向けクロスを使うのがおすすめです。各クロスメーカーがサンプル帳に「リフォーム向け」などの記載をしてくれていますが、例えばサンゲツの「eセコウクロス」などがこれにあたります。また、木目柄などのクロスも不陸が目立たないので適しています。
どうしても薄いクロスを使用したい場合は、事前に施工業者と相談しましょう。
まとめ:店舗のクロス工事は信頼できるプロへ
店舗のクロス内装工事は、単なる模様替えではなく、**「お店のブランド価値を高め、安全を守るための大切なステップ」**です。丁寧な下準備と、法律や構造を熟知した施工が、最終的な満足度の差となって表れます。
弊社では、店舗それぞれの用途やデザインに合わせ、美しさと耐久性を両立させた内装工事をご提案しております。
「自分のお店にはどんな機能のクロスが必要?」「内装制限について詳しく知りたい」 そんな疑問をお持ちのオーナー様・設計担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。現場調査からお見積もりまで、プロの視点でサポートさせていただきます。






