内装工事に必要な費用と成功のポイント
はじめに
自分の店舗を開業することは、大きな目標であり、同時に多くの準備が必要となる一大プロジェクトです。特に内装工事に関しては、「どれくらいの費用がかかるのか」「どのように進めればよいのか」など、不明点や不安を抱く方も少なくありません。
本記事では、店舗デザインおよび開業サポートの実務経験をもとに、内装費用の相場、工事内容の理解、事前準備、業者選びのポイントに至るまで、開業者の方がつまずきやすい点を分かりやすく解説します。読み進めていただくことで、漠然とした不安が具体的な計画へと変わり、開業に向けた確かな一歩を踏み出す手助けとなれば幸いです。
1. 開業時にまず検討すべき「スケルトン物件」と「居抜き物件」
店舗物件を探す際に必ず目にするのが、「スケルトン物件」と「居抜き物件」という2つの選択肢です。それぞれ特徴が異なり、費用や開業までの流れに大きく影響するため、最初に正確に理解することが重要です。
・スケルトン物件
内装や設備が一切施されていない状態。ゼロから店舗をつくり上げることができ、設計の自由度が高い点が特徴です。
・居抜き物件
前テナントの内装や設備が残されている物件。既存設備を活用することで、初期費用の削減や工期短縮が期待できます。
一般的な内装費用は20万円〜80万円/坪と幅がありますが、物件の種類が最も費用に影響します。
1-1. 物件タイプの比較(10坪の場合)
| 比較項目 | スケルトン物件 | 居抜き物件 |
| 平均費用 | 300~800万円 | 200~500万円 |
| 設計自由度 | 高い | 既存内装に制約あり |
| 工期 | 長くなりやすい | 比較的短期間 |
・メリット 自由度が高い 初期費用を抑えられる ・リスク 設備導入費が高額化しやすい 設備の老朽化リスク・レイアウト制約
・注意点:
居抜き物件では、特に空調・換気設備の状態確認が不可欠です。交換が必要な場合、居抜きのメリットが失われることもあるため、契約前に必ず動作確認を行いましょう。
例えば飲食店といっても重飲食(レストラン・居酒屋など)、軽飲食(カフェなど)では必要な空調設備、給排水設備等が全く異なります。重飲食店を開くには換気量が足りない、排水管の径が小さすぎるなど思わぬ問題が生じると、工事費が計画以上に高くなる恐れがあるため、入念な事前調査が必要となります。
1-2. 選ぶ際の判断基準
コンセプトを重視し、自由な設計を行いたい場合
→ スケルトン物件が適しています。
初期費用を抑えて早期開業を目指す場合
→ 居抜き物件の活用が有効です。
2. 業種別に見る内装工事費用
内装費用は業種によって大きく変動します。特に飲食店は設備要件が多いため、比較的高額になる傾向があります。
2-1. 業種別の費用相場(10坪目安・税別)
| 業種 | スケルトン | 居抜き |
|---|---|---|
| 飲食店 | 300万~600万円 | 150万~400万円 |
| 物販・サービス | 200万~400万円 | 100万~250万円 |
| 美容室 | 250万~500万円 | 120万~350万円 |
2-2.業種ごとの費用差が生まれる理由
飲食店: 厨房機器、強力な換気設備、グリストラップなど必須設備が多く、コストの大半を占める。
美容室: シャンプー台設置に伴う給排水工事や、高品質な照明・セット面が費用に影響。
物販店: 什器・照明など、商品を魅力的に見せるための内装デザインが中心。
3. 見積もりの内訳と費用を抑えるためのポイント
見積書は専門用語が多く戸惑いがちですが、主に以下の工事項目に分類されます。
設備工事(厨房・ガス・電気・空調など)
仕上げ工事(床・壁・天井)
造作工事(カウンター・棚などの特注製作)
サイン・外装工事
設計費・申請費等の諸経費
3-1. 費用を抑える4つのポイント
複数社から見積もりを取得し比較する
居抜き物件の設備を可能な限り活用する
中古設備やリースの活用を検討する
補助金・助成金制度を積極的に調べる
4. 信頼できる内装業者を選ぶために
内装工事の品質は、業者選びに大きく左右されます。価格だけで判断せず、以下の点を確認してください。
4-1. 業者選びのチェック項目
希望する業種の施工実績があるか
見積もりが詳細に記載されているか
担当者とのコミュニケーションが円滑か
アフターフォローや保証内容が明確か
4-2. よくあるトラブルと対策
追加費用発生 → 追加工事の条件を事前確認
完成イメージの相違 → パースや素材サンプルで共有
工期遅延 → 工程表と進捗報告体制を確認
動線の不備 → 業務フローを踏まえた設計の事前確認
5. まとめ
✓物件選びが費用と自由度に大きく影響する
✓業種ごとの特性を踏まえた予算計画が重要
✓適切な業者選びが開業成功の大きな鍵となる
内装工事は専門性の高い分野です。安心して進めるためには専門家に相談するのがおすすめです。本記事が、理想の店舗づくりに向けた一助となれば幸いです。






